■渡邊 嘉二郎会員(法政大学名誉教授・工学博士)
入会のきっかけ
大学の教員をしていたとき、小金井市の委員会に参加していたところ、ご一緒したロータリーの会員からお誘いを受け、妻に相談をしたところ「いいんじゃない」というので、思い切って入会をしました(笑)。
小金井ロータリーの仲間の魅力
入会する前は、大学教員の付き合いがほとんどでした。教授会は異動もありませんから閉じた村であり、気も使います。ロータリーに入会してよかったのは、皆さん個性的ですが、紳士的であり、無理強いしない、これが居心地よかった。
私の入会歓迎会の二次会で、当時の先輩会員が、街中のスナックに連れて行ってくれて、自分の財布をカウンターのお姉さんに預け、「好きなだけ使え、寿司でもなんでも頼め」と言うのを聞いて衝撃を受け、慣れない酒を大量に飲み、ふらふらして帰ったことを思い出します笑。人生が変わるかもしれないという感動、新しい今までと違う世界にいるという感覚。諸先輩方には、とてもかわいがってもらいました。親睦旅行でも、先輩とよく話し込みましたが、先輩はいろいろと話をしてくれ、私のことも一人前として自分の存在を認めてくれたことが、居心地よかったです。
若い人は、どんどん地を出したらよいと思います。先輩は文句言わないはずです。ロータリーは、生涯学習の場であり、人間としての成長、人格形成の場です。先輩はいろいろな経験をしていて、聞けばいろいろ話をしてくれます。若手が先輩に突っかかっていかないと、得られるものも得られません。お互いに、寛容の精神を持ちながら、裸で付き合うのが良いと思います。
小金井ロータリーでの奉仕活動の魅力
私には、人知れずこっそりと「I serve.」したいという気持ちがある。たとえば、たばこの吸い殻をこっそりと拾ったり。それで、奉仕の気持ちとしては十分です。しかし、一方で、「We serve.」も大切で、たとえば、ポリオは、一人では根絶することはできないと感じます。
仕事の進め方でも同じであり、自分の仕事のクオリティを上げたいと思うとき、「I serve.」は、それ自体、自分の職業観にもプラスになります。学術論文を書くとき、学会での査読という審査があります。日本では忖度してくれますが、ドイツやアメリカでは50項目くらい厳しい意見が来ます。それを敵だと思うか、品質を良くするために感謝して受け入れるか。厳しい声も、自分の論文をよくするために「I serve」の気持ちからなされたものだと素直に受け入れること、それは、ロータリーでいろいろな奉仕活動をするなかで、自然に身についたものです。
ロータリーの会員の多くは、仕事の責任者であり、責任者は孤独です。皆、仲間が欲しいのです。親睦とは、「したしみむつむ」。飲み会を想像することが多いですが、本来は、個々人が親しみ、むつみ、心を開いて話し合うのが親睦だと思います。
ロータリー入って、初めて体験したお茶くみも、いい経験でした。先輩が私を信頼してくれたきっかけになっていると思います。
小金井ロータリー入会から広がった世界
ソルトレイクシティで国際大会があったとき、ミシガンの空港でロータリーバッヂをつけて歩いていたら、紳士が近づいてきて、お互いにロータリアンだとわかり握手を求められました。ミシガンで何度かメイクアップしたこともあり、文化の違いを感じながらも、よくしてもらいました。
大学教員は、「先生」といわれて当たり前の世界であり、RCに入り、今まで違う世界で生きてきたことを身をもって自覚できました。すごく大きなことを学び、自分自身が大きくなれたことが、私にとって最大の喜びです。
入会候補者へのメッセージ
本当の友情を結びましょう。いろいろな相談もできるし、人に触れ合うことができ、友情を気付くことができる紳士の集まりです。良い時ばかりでなく、つらい時にこそ、声を掛け合うことができるのがロータリーです。